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この前の続き
『コミック 星新一』の、もう一冊のやつの感想をば。
『空への門』の方です。
これは、どの漫画も原作を読んだことがあったので
しかも原作が好きな作品が多かったので
読みやすかったです。

以下、ひとつずつの感想。




「空への門」@『空への門』
これは原作を読んだ記憶は確かにあったのに、
オチの印象がちょっと違いました。
こんなに、切ないというか感動的な話だったかな?と思いました。
もう一回原作を読まないとね。うん。
2冊とも通じて感じたけど、
漫画にすると星さんの作品は結構叙情的になるね。
文章はもっと無機質な印象があるのに、
そしてその無機質な感じが魅力的なのに、
それがなくなっても人の心を揺さぶる作品であることには
変わりがないのですね。

「鏡」@『空への門』
これは原作のこともよく覚えていて、
オチもよくわかってるのに、
読んでてすごく怖かったです。原作もすごく怖いけど。
あの、悪魔の顔がすっごく気持ち悪いです。
私だったらこんなのいじめる気にならないなぁというような・・・。
弱々しくて何も出来ないっていうのは原作どおりだけど、
絵が気持ち悪くってそれがかえって不気味さを増してて
良かったと思いました。
オチというか、最後のシーンが原作のイメージとあってて
個人的にはかなり好きな作品です。

「患者」@『空への門』
これは、最後のひとコマで、全体を一気にコミカルにしてるなって思いました。
それが私は好きだなと思ったけど、
原作の印象とはそれは違うようにも感じました。
原作では患者が帰るところで終ったような気がする・・・んだけど。
絵がシンプルで、必要なものだけが書かれてるのもまた良いです。
先生のビジュアルが個人的に好みだったので、余計良く感じるのかも。
短いけれど、星さんっぽさはすごく伝わると思いました。

「冬の蝶」@『空への門』
これを漫画に出来るとは思いませんでした。
しかもこんなに原作どおりに。
絵が本当に綺麗で、原作を読んだときのイメージと
ほぼ同じ雰囲気が味わえました。
これと似たようなことは、現代の日本でも
普通に起こりうるんじゃないかと思いました。
停電したら、それこそ1時間や2時間でどうこうなることはないけど
続けば、人間は生活できない。
こんなにも頼ってるんだなと、
実際に停電が起きるまで気づかないもんなんですから、怖いですよね。

「処刑」@『空への門』
これは印象が強い作品のひとつで、
原作を読んだときにものすごく強烈に「こわ」と思ったのですが
その雰囲気が壊れてなくてすごく良かったと思いました。
星さんの作品の中ではかなり人間の感情の奥底に迫った部類の
作品だと思いますが、
漫画でもその部分が表現できていたと思います。
細かいところはいろいろアレンジしてあったけど、
違和感はありませんでした。
最終的に恐怖から解放されて、普通の生活を始めるのだけど
そうなった時の主人公の表情がすごく好きでした。

「程度の問題」@『空への門』
これは面白いです。
原作もコミカルですごく面白いんだけど、
漫画はちょっとオーバーな感じがあって
余計面白いなと思いました。
多分漫画がオーバーなんじゃなくて、
漫画になるとオーバーになったような気がするだけなんだと思います。
全くタイトルどおり「程度の問題」なのであって、
どっちもどっちだなーというわけです。
中庸って大事だね、っていうことですよね?
でもこれ実はなかなか難しいと思うよ。

「宿命」@『空への門』
これは、原作がすごく星さんぽいなぁと思うような作品で
たくさんあるショートショートの中でだったら
特にこれといって印象に残るものではなかったですが
(いや、面白いしすごい話ですが、星さんはそんなのを
1000以上書いているわけですからね)
漫画になって、ロボット(同じ顔、同じナンバー)が
ハンサムだったのでちょっと良かったと思います。
原作を読んだときのイメージはもっと、
人間的じゃないロボットだったんですけどね、個人的に。
この漫画のロボットみたいな美青年もいいなぁと思いましたよ。
それで、少しずつ表情がうまれていくロボット達が
カッコいいから余計、感情移入してしまいました。

「ゆきとどいた生活」@『空への門』
これは原作の印象よりすごく綺麗でした。
派手じゃないし、むしろ絵はすごくシンプルなんだけど、
すごく綺麗に思えました。
原作は、皮肉というか、そういう要素が強いような気がしたけど
この漫画は切ないというか悲しい感じが強くなってると思う。
これ漫画にするのは結構難しかったと思うんだけど
(最初から死んでるわけだから)
でもそんなこと考えさせないくらいスムーズに読めました。

全体的に、漫画化は割と成功してるんじゃないかと思います。
星さんの作品はすごく短いから、
メッセージや結末、展開が剥き出しなわけですが、
漫画になってもそれは変わらず、
むしろ漫画になることで、
メッセージや皮肉はよりクリアに見えたように感じます。
気になるのは、これらの漫画を星さん自身がご覧になった場合
どういう風に感じるのだろうということです。
それはこれから私が考えていかないといけないことなんだろうけど。

それにしても、漫画にしてもひとつも違和感がなく、
2006年の現在読んでも普通に感じられるあたりが
やっぱり星さんの作品のすごさなのかなぁと思う。
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